ホームページの事、返信、妄想、ブックレビューに愛を叫ぶ準ブログ。偏愛なので準が付く、そういうことを書いております。
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漸くちまちま書き始めています。そして少し書くごとに、完成までのパーセンテージが下がる仕掛けに嵌っています。何故…!?(驚愕)。答えは骨組みを書いて肉付けをする張りぼて方式だからなのですが。妄想だとコンパクト、実行すると予想より膨大になるという。まさに罠以外のナニモノでもないとゆー。
例えば
折りたたみは没にした正月話。
現代高校生パロで女性向けです。自己責任でお願いします。
例えば
メモをとらないかわりにこーやってとびとびで最後までの骨組みを萌えポイントとかで作って、後で間を埋めていく作業をしてます。偶に骨格を増やしたりして、その都度進行度が下がるのです…。骨組みと薄い肉だけでいま、スペースが大量に入ってますが9ページ。改行前後の間隔を削除してるのにコレ。今は20%いってればいいほうなのでは?単純に掛け算で、予想がつくのですが、なーがーいー。持久力がナイからやばいのです。バレンタインの妄想もしてるのですが、勢いに任せて文章をバババーッと書けるくらいの技量が欲しい今日この頃。書けるか解りません。例をみないほどの遅筆ぶりを発揮してます。其処に書かれた文字と鮮やかな彼の残像を思い出して細い道を見つめる。
一つ一つ和綴じの本を手に取り丁寧に確認する彼の顔がどんどん曇っていくのが解った。最後の本の題名を見つめるこの気高い猫が何か言いだす前に楸瑛は口を開いた。
絳攸は応える代わりに薄く笑い、懐から何かが包まれている布を取り出した。
「き、みは―――」
折りたたみは没にした正月話。
現代高校生パロで女性向けです。自己責任でお願いします。
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藍本家の当主を兄に持つ楸瑛は元日の朝から途切れる事のない膨大な数になる親戚の来客から解放されたのはもう十分に日が暮れてからだった。狐狸妖怪と大差がない思惑に塗れた輩に囲まれてどんよりした気持ちを洗い流すように、シャワーを浴びてさっぱりした顔、気分となり、スウェット姿、肩にタオルを掛けたまま、時々髪の毛の水気を払うようにして階段を上り二階の部屋を開けた。廊下の光が真っ直ぐと差し込むその延長上に、照らされた机。電気をつけないまま踏み入れ、受験生らしく開かれた問題集のページとページの継ぎ目の部分においた携帯電話が光っているのが暗い部屋で目立つ。
右手で取り上げて開く。着信メールの宛名に眼を丸くして、内容を一瞥すると同時に左手で頭を拭いていたタオルが肩に戻った。
―――今家の前に居る
件名なしのたった一文。文末に「。」すらもない。だから何、と憮然と思いそうな言葉の羅列だったが、楸瑛への効果は絶大だった。着信時間は5分前。タオルを投げ捨てハンガーにかけてあるダウンをひっかけている頃には子供の頃にも経験がないくらい、階段をどたどたと足音を立て駆け降りていた。兄か弟が何か言った気もしたがそれどころではなかったため無視した。
靴を履き終えていない状態で逸る気持ちのまま玄関のドアを開け、寒さより何より疎ましく思ったのは広大な庭の先に見える門が遠かった事だった。走っている途中で靴のつま先を転びそうになりながら詰めた。息を切らした楸瑛は門を開けて左右をニ三回見まわす。
―――いない。
もう一度確認する。生乾きの髪の毛が凍りつきそうなほど冷たいのが地肌を通して解った。
「おい」
「うわっ!こ、絳攸」
背後からかかった突然の声に驚いた。振り向くと同じようにダウンを着て少し困った顔をしたひと学年下の友人で――楸瑛の密かな想い人がいた。李絳攸、彼も男、自分も男。成就するはずのない想いを告げて困らせるのは本意でないためそっと胸にしまってある。それくらいの術は若さに似合わず身に着けていた。
「あ、あがるかい?熱いお茶でもコーヒーでも出すよ」
「いい」
凍てつくような寒さの中を待たせてしまった絳攸の体を気遣って提案だったが、絳攸が長居するつもりはないのは明白だった。それより眉をしかめた絳攸の咎める様な眼が濡れた髪の毛に向けられているのに気付き、失敗したなあ、表情には出さずに僅かに落胆した。これではきっと受験生の体調を慮って絳攸は早く切り上げてしまう。
「抜けてきて大丈夫なのか?」
「もう親戚たちが帰って漸く一息ついてたところだから。君のところもそうだろ?」
「ああ」
「それで何の用かい?」
楸瑛が切り出すと、絳攸は俯いてポケットに手を突っ込んだ。
「毎年恒例なんだ」
「何がだい?」
「新年の一番初めの郵便が届くのを待つのが」
「へぇ」
「届いたばかりの年賀状の束を黎深様が取り上げて、邵可様からの年賀状だけを抜き取った後、俺と百合さんで宛名ごとに仕分けてから、初詣に行く事になってるんだ。毎年」
絳攸が何を言いたいのかが解らなかったが、楸瑛は聞きたい事があった。
「私の年賀状は届いた?」
「それだ!」
唐突に絳攸は下に向けていた顔を上げて楸瑛を睨み上げた。
「お前何でおれの住所を知ってるんだ?誤魔化すなよ」
「ははは。君も知ってる通り私生徒会長だったから」
「職権乱用」
「耳が痛い」
降参、と言うように両手を上げて眼をつむった楸瑛に絳攸は思ってもない事を言うな、と厳しかった。
「で、それが何?」
急に口ごもってしまった。絳攸はまたつま先を見るようにしていた。
「絳攸?」
「俺は知らなかった」
もごもごと絳攸が言った。
「え?」
「お前の住所知らなかったから年賀状出せなかった」
謎が解けた。それを気にして会いに来たのか。こういうところが可愛い、と心の中で少し上がった心拍数を自覚しながら考えていると、絳攸はポケットに突っこんでいた右手をグーにしたまま差し出してきた。
「やる」
取り敢えず受け取る。絳攸の手が離れるにつれ、露わになるそれは―――。学業成就のお守りだった。
「お前には必要ないだろうが験担ぎだから受け取ってくれ。――頑張れよ」
再びポケットに完全に戻ってしまう前に絳攸の手を捕まえて、両手で握った。驚いたように絳攸が眼を丸くして穏やかに笑っている楸瑛を見る。
「ありがとう。とても嬉しいよ」
「だから神社に行く前に年賀状をチェックするのは毎年恒例なんだ!」
照れ隠しのために、態と乱暴に言ってるのは明らかだった。
「それならその慣例に感謝しなくちゃね。こうして新年早々君に会うことが出来たんだから」
「ッ!無駄な口叩いてないで早く戻れ!風邪ひくぞ!」
「解ったよ。絳攸、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「―――あけましておめでとうございます…。今年もよろしくお願いします」
棒読みでそっぽを向いた絳攸だったが、一回も放そうとしなかった手が楸瑛には何よりも嬉しかった。
没にした理由はクリスマスと内容が被ったから。寒い中走る楸瑛アゲイン。其処まで書いて「あ、これ前も書いた」と煮詰まり、放棄。此処にあげるにあたって、急きょこの日記を書きながら今、後半を書いて終わらせました。でもいい感じに熟成されてて没にする必要なかったかなあとも思ってます。ただもう1月何日よ?って事で新たなリニューアルした理由により結局没。
右手で取り上げて開く。着信メールの宛名に眼を丸くして、内容を一瞥すると同時に左手で頭を拭いていたタオルが肩に戻った。
―――今家の前に居る
件名なしのたった一文。文末に「。」すらもない。だから何、と憮然と思いそうな言葉の羅列だったが、楸瑛への効果は絶大だった。着信時間は5分前。タオルを投げ捨てハンガーにかけてあるダウンをひっかけている頃には子供の頃にも経験がないくらい、階段をどたどたと足音を立て駆け降りていた。兄か弟が何か言った気もしたがそれどころではなかったため無視した。
靴を履き終えていない状態で逸る気持ちのまま玄関のドアを開け、寒さより何より疎ましく思ったのは広大な庭の先に見える門が遠かった事だった。走っている途中で靴のつま先を転びそうになりながら詰めた。息を切らした楸瑛は門を開けて左右をニ三回見まわす。
―――いない。
もう一度確認する。生乾きの髪の毛が凍りつきそうなほど冷たいのが地肌を通して解った。
「おい」
「うわっ!こ、絳攸」
背後からかかった突然の声に驚いた。振り向くと同じようにダウンを着て少し困った顔をしたひと学年下の友人で――楸瑛の密かな想い人がいた。李絳攸、彼も男、自分も男。成就するはずのない想いを告げて困らせるのは本意でないためそっと胸にしまってある。それくらいの術は若さに似合わず身に着けていた。
「あ、あがるかい?熱いお茶でもコーヒーでも出すよ」
「いい」
凍てつくような寒さの中を待たせてしまった絳攸の体を気遣って提案だったが、絳攸が長居するつもりはないのは明白だった。それより眉をしかめた絳攸の咎める様な眼が濡れた髪の毛に向けられているのに気付き、失敗したなあ、表情には出さずに僅かに落胆した。これではきっと受験生の体調を慮って絳攸は早く切り上げてしまう。
「抜けてきて大丈夫なのか?」
「もう親戚たちが帰って漸く一息ついてたところだから。君のところもそうだろ?」
「ああ」
「それで何の用かい?」
楸瑛が切り出すと、絳攸は俯いてポケットに手を突っ込んだ。
「毎年恒例なんだ」
「何がだい?」
「新年の一番初めの郵便が届くのを待つのが」
「へぇ」
「届いたばかりの年賀状の束を黎深様が取り上げて、邵可様からの年賀状だけを抜き取った後、俺と百合さんで宛名ごとに仕分けてから、初詣に行く事になってるんだ。毎年」
絳攸が何を言いたいのかが解らなかったが、楸瑛は聞きたい事があった。
「私の年賀状は届いた?」
「それだ!」
唐突に絳攸は下に向けていた顔を上げて楸瑛を睨み上げた。
「お前何でおれの住所を知ってるんだ?誤魔化すなよ」
「ははは。君も知ってる通り私生徒会長だったから」
「職権乱用」
「耳が痛い」
降参、と言うように両手を上げて眼をつむった楸瑛に絳攸は思ってもない事を言うな、と厳しかった。
「で、それが何?」
急に口ごもってしまった。絳攸はまたつま先を見るようにしていた。
「絳攸?」
「俺は知らなかった」
もごもごと絳攸が言った。
「え?」
「お前の住所知らなかったから年賀状出せなかった」
謎が解けた。それを気にして会いに来たのか。こういうところが可愛い、と心の中で少し上がった心拍数を自覚しながら考えていると、絳攸はポケットに突っこんでいた右手をグーにしたまま差し出してきた。
「やる」
取り敢えず受け取る。絳攸の手が離れるにつれ、露わになるそれは―――。学業成就のお守りだった。
「お前には必要ないだろうが験担ぎだから受け取ってくれ。――頑張れよ」
再びポケットに完全に戻ってしまう前に絳攸の手を捕まえて、両手で握った。驚いたように絳攸が眼を丸くして穏やかに笑っている楸瑛を見る。
「ありがとう。とても嬉しいよ」
「だから神社に行く前に年賀状をチェックするのは毎年恒例なんだ!」
照れ隠しのために、態と乱暴に言ってるのは明らかだった。
「それならその慣例に感謝しなくちゃね。こうして新年早々君に会うことが出来たんだから」
「ッ!無駄な口叩いてないで早く戻れ!風邪ひくぞ!」
「解ったよ。絳攸、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「―――あけましておめでとうございます…。今年もよろしくお願いします」
棒読みでそっぽを向いた絳攸だったが、一回も放そうとしなかった手が楸瑛には何よりも嬉しかった。
没にした理由はクリスマスと内容が被ったから。寒い中走る楸瑛アゲイン。其処まで書いて「あ、これ前も書いた」と煮詰まり、放棄。此処にあげるにあたって、急きょこの日記を書きながら今、後半を書いて終わらせました。でもいい感じに熟成されてて没にする必要なかったかなあとも思ってます。ただもう1月何日よ?って事で新たなリニューアルした理由により結局没。
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