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ホームページの事、返信、妄想、ブックレビューに愛を叫ぶ準ブログ。偏愛なので準が付く、そういうことを書いております。
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8月31日のお返事は9月4日の日記に載せています。横のカレンダーよりどうぞ。

8日深夜にこのブログを加筆修正いたしました。(さらに長くなった!)

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数日前ブログのテンプレートを変更してみましたが、今日のように偶に恐ろしく長い日記を書くワタシには、気に入っているのですがこれは向いてない気がするのでまた変えるかもしれません。

あとカラオケに行ったのですが歌手の中のランキングで「金魚の箱」の順位が高かった、それだけなのですが京極ファン以外にこれを選曲する人はなかなかいないと思うので、なんだか嬉しかったです。たしか(新宿の某カラオケ店で)13位ほどだったと思うのですが、ビックリしました。いつかこれがトップ10に入ったら・・・と考えたりしながら、わたしも歌いました(苦笑)

マンマ カミサマ オキルノヲマッテ

ダケドキミトハ アルイミサヨナラ

マジで鳥肌モノな歌詞なのです。「魍魎」を読んでるからこそますますすごいと思います。以前にも言ったのですがあのかなり不気味なストーリーにぴったりで大好きです。この故意にカタカナを使っているところも京極小説にあっていてファン的にテンションあがるポイントです。言葉の力はすごいなあ!などーも、ミレですこんばんわ。正体は途中休憩をはさみつつ夜通しこのブログを書いている莫迦なヤツです。

ブックレビューは宣言通り京極さま一色で行きます。


今週読んだ本(再読です)

「魍魎の匣」
「絡新婦の理」
「百器徒然袋 雨」

作者はすべて京極夏彦です。たった3冊ですが、総ページは3300ほどに達するという恐ろしい本なのです。
IMG_1099.JPG
恐ろしさの参考画像です。
左から二番目が「絡新婦の理」というシリーズ最長1400ページほどです。右隣の森博嗣の「すべてがFになる」は比較の対象です。500ページほど。

IMG_1097.JPGこれは「指四本分の厚さがある本」の実物です。
絳攸の手はワタシより大きいでしょうから、1400ページ以上の京極もびっくりな本を楸瑛に投げていることになりますね。



では本題に戻りましてレビューは・・・・すべてを深く語りました。(恐ろしく長いです。)




「魍魎の匣」 京極夏彦


箱のような建物の美馬坂近代医学研究所。そこに電車に轢かれた柚木加菜子は運ばれた。ショックからあいまいな証言しかできない目撃者である同じ中学の友人楠本頼子と偶然その電車に乗っていた刑事、木場修太郎も加菜子の姉、陽子に連いていく。
一方うだつの上がらない小説家、関口巽の許にカストリ雑誌の編集者、鳥口守彦が武蔵野周辺で起きている少女の切断された腕や足が箱に詰められ発見されるという「武蔵野少女バラバラ殺人事件」の他に「もうりょう」を閉じ込める「御筥(はこ)様」なる新興宗教の記事を書かないかと持ちかけるが、そういうのが得意な友人がいる、と古本屋を営む京極堂こと中禅寺秋彦の元へ一緒に出かけることになった。中禅寺の話を聞き鳥口は「御筥様」を糾弾しようと意思を固める。
箱はこハコ。どこへ行っても箱にぶち当たる関口は新人小説家の久保竣公に嫌味を言われ、また彼の作品を読み、持病の鬱病が再発しそうになる。
箱屋敷で加菜子が目の前で忽然と誘拐され、残された死体。終わらない箱詰めのバラバラ殺人事件。「御筥様」に入信した頼子の親は頼子を「もうりょう」と罵る。
「もうりょう」がニガテだと告白する憑物落としの中禅寺は果たして憑物落としを完遂し事件を解決することができるのか?


わたしの原点がこの本です。面白くない要素がどこにもなく、疑問を挟む余地がない完成した作品だと感動したことを覚えています。ぐいぐいとはじめからすごい力で引き込まれ―――魅せられる。面白いのですが不気味さに怖くなり、ひやりとしながらも、たとえ夜中になっても読むことをやめられない。ここまで面白い本は初めてで、読み終わった瞬間ほうっと体から力が抜けるような、でもずっとドキドキしているような、とにかく凄い!と本当に本気で超面白かった!と思いました。話は京極堂の超能力者、宗教者、占い師などの違いと「魍魎」の説明がやや難解ですが、理解できる範囲で、その他はユーモアも交えながらさくさくと進んでいきます。遊園地のお化け屋敷や映画のホラーなどは全然怖くないミレが、本当に本気で「こわっ!」と思ったほど、不気味です。精神異常!?みたいな気持ち悪い文章があり、おぞましくもあり怖いもの見たさっていうか冷や汗ものでおびえながら読みました。徹底的すぎて悲惨というか、容赦がないです、きょーごく。
妖怪小説ですが妖怪は現象の説明なので一般人が抱いているイメージとは違い、ファンタジーとかそういう要素は無く(フィクションですが)、推理は理論的。角度や視点が他の推理小説とは違うので本当に斬新で、核心に迫るまで読者は全貌など全く見えずほったらかされますが、文句を言わせない結末です。一つの事件だと思っていたのが五つの別々の事件で、それをまた一つに組み立てていく(これが憑物落としです)過程を分厚いだけあり余すことなく説明しているので、斬新であり得なくても理論的誘導であり得ると想わせる文章力が本当にすごい。漢字一つにも気を使っていて、見せるもだからと氏が言っていたのには意味があるのです。だって「箱」は普通の箱でしかないけれども「匣」だと不気味「筥」も曰くありげでしょ?作品に手を加えないのは完成品だからというのはすごい話なのです。ページがいつも改行されて始まる(ページをまたぐ文章がない)のもテンポよく読める理由の一つでしょう。回ごとに話がぶつりと切れて、ときには関口君視点の三人称で、ときには関口君の一人称だったり完全なる三人称だったりも新鮮さが加わり、ページを捲る手を止められない一因となるのでしょう。
とことん不気味で気持ち悪くて厭な気分になるけれど、本当に面白すぎて感動します。


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「絡新婦の理」 京極夏彦


房総にあるキリスト教の女学園に通う同級生の渡辺小夜子と呉美由紀は本田という教師に死ぬほどの恨みを抱いていたため、望みをかなえてくれる「いい悪魔」の「蜘蛛」の事を探ろうとしたところ、売春をしていた麻田夕子と接触した。彼女は「蜘蛛の僕」という組織に属し、彼女に詰め寄った女教師山本殺害を「蜘蛛」に実際に願い、山本は殺された事を話したが、言葉を濁しながらも犠牲の大きさに加わらないよう小夜子を制止したが、小夜子は僕になってしまう。そして、山本は殺され、屋上から小夜子が飛び降りるのを美由紀は学園の創立者の家系である織作碧と一緒にそれを目撃した。
刑事である木場修太郎は世間を騒がす「目潰し魔」による殺人の捜査をしていたて犯人は現在潜伏中の平野祐吉だと判明するが、偶然発見した証拠から友人である川島新造が浮かび上がる。いくつかの事実を隠しながら真偽を確かめようとするが川島は姿を消す。一方探偵榎木津礼二郎のもとに人探しの依頼が入る。依頼人杉浦は女性運動家で離婚のために夫を探してほしいと言う。助手である益田の情報でどうやら杉浦の夫は千葉にいることが判明し首絞めによる殺人が続く千葉へ。
また伊佐間一成はひょんなことから滞在している地域の絶対的な実力者、女主人真佐子の婿である雄之助を亡くしたばかりの織作家へ案内されることとなった。母真佐子、故人である長女紫、次女茜、三女葵、四女碧。茜以外蝋人形のような女に囲まれ伊佐間は戸惑うが、そこに新たに事件が舞い込む。
目潰し魔と絞殺魔。織作家。「蜘蛛」。
すれ違う供述と止まらない殺人。事件の構造はどのようになっているのか?絡新婦は憑くものではないから落とせない―――京極堂は果たしてどうするのか。


シリーズ史上最高に長い「絡新婦」ですが、わたしのこの世で一番好きな本です。(スケールがでかすぎますが)
少し反社会的な女子学生美由紀が登場するなど、「魍魎」をほうふつとさせる雰囲気も好みですが格段に洗練された文章をというか、落ち着いた文章を書くようになってます。何よりもああいう構造にした氏がすごすぎて・・・・・!!一連の事件は次の事件へのステップに過ぎないのです!はじめから終りまでで環が形成され、配置混む余地はなく、そうして新たな一面へ続いていく。止めるすべはない。どこで終わるのかも関わった時点で不明に。みたいな。かなりぼかしましたが、そいうことです。完全にネタばれさせるのならば類似する事件は決して交錯はしない。なぜならば事件は緻密な蜘蛛の巣の構造をしているから。平行な蜘蛛の巣。起きている場所など事件にとにかく接点は見当たらず、それも蜘蛛の巣ゆえ。そして事件にかかわった者は否応なしに結末が決まり切った話の登場人物とされるため、流れを変えることなどできないここまで。
だから榎木津はうかつに関わってしまったことに腹を立て、京極堂に事件を押しつけ、京極堂は関わったところでどうすることもできないばかりか結末を早めることで犯人に貢献してしまうとわかっているため、いつも以上に乗り気ではなかったのです。
そして京極堂をもってしてもあの凄惨な結末展開が速すぎて、「魍魎」以上に容赦がなく、圧巻。真相が明かされるのは(まあこの段階で「だろうな」と思うが)そのあとというか、前ともいえるけど―――・・・。
面白すぎて初めての新鮮さはなくなりますが、二度読んでも三度読んでも感動できます。十分に楽しめます。
京極夏彦は天才だ。
あと、ユーモアというかギャグというか笑わせてくれるシーンがこの「絡新婦」には非常に多く、大好きです。
可愛い女子学生が好きな榎木津笑
でも名前は覚えられない榎木津笑
榎木津が京極堂を呼んだのは萌え笑
あああ、全部榎津ではないか!でもこの巻は榎木津のポイントがかなり高いです。本当に榎木津はずるい!

緻密な計画に引き込まれ、驚かされること間違いなしの傑作!


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「百器徒然袋 雨」 京極夏彦
(※コレは榎木津が主人公の短編集なので(3話収録)、あらすじを省き各話ごとに解説します。)
(※基本「かわいい」を連発してます。)


鳴釜 薔薇十字探偵の憂鬱
(※榎木津の探偵事務所の名前が薔薇十字探偵社です)

榎木津顔負けにのりのりの京極堂!悪趣味なことを考えてしまった京極堂とそれでいこうという探偵。釜ですよ!かま。カマ(しつこい)。ハンムラビ法典的思想を語った後でのカマ発言。ああ残酷笑
作業服すがたの榎木津がいつ読んでもツボなのです。つなぎの服を着て、上半身はTシャツで腰のところでつなぎの腕の部分を結んでると勝手に想像。軍手をはめてて、タオルを首からかけててもいい。汗を手でぬぐって顔が汚れても、かわいいなあ。――――という妄想はさておき。
大掛かりなセットを作りましたがすぐに破壊。悪趣味だとか仕切りが榎木津なのが乗り気しないとぶつぶついいつつ京極堂は実は楽しんでるって。子供が異様に、異常に好きな榎木津大明神。かわいいなあ。(←2回目)異常だけど。愛しい人です。パーティー会場で鴨君葱君を引き連れて颯爽と登場。葱君(本島)が険悪な雰囲気を出し始めると、榎木津はへらへら笑って怒りをおさめてしまう。真意が読みとれない破天荒な人だけど、すっごくやさしいと思った瞬間です。まああとはカマの金ちゃんと桜井の取り巻きたちによるカマ騒動を起こした後榎木津流の解決。
ああやっぱり面白かった。笑える推理小説なんてなかなかないです。


瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤

マチコこと今川がそうそうにいじめられてます。鳴釜のときのナキカマ(益田)を見ても思ったけど、榎木津は小学生かってくらいのいじめ方をするのですww悪口がすごい。でも愛があるからいいの。犬の首事件とか毎回大いに気になるところです。何をしたマチコ。いや、何をしたんだ榎木津笑
亀と瓶が榎木津にかかればカメとなり(発音がまったく一緒というかイントネーションがめちゃくちゃらしい)マチコ、安寅、益田、本島は混乱。青磁もセージだし、カメカメいっている榎木津様。通じると思っているのがやっぱりすごい。そしてお父様もなかなか・・・・。カメ(瓶)が国際問題に発展です。瓶を見つけなければ条約調印が無効になってしまうという。それでお父様は息子に瓶を探せと頼んだ折に亀が疾走という、カメカメな展開
榎木津親子は世界一信用していない親子なのに仲がいいんだそうです!
なんだか微笑ましいのです。
事務所に木場ちゃん登場。やくざだ。やくざに違いないって(笑)カメ(亀)の捜索願を警察に出した榎木津をどなりつけ、榎木津も言い返す。大声出すのがえらいなら魚屋さんは確かに偉いぞ。
いろいろあり、勧善懲悪ならぬ勧榎木津懲悪がスタート。いつもの展開(破壊)へと(笑)
はたして条約調印できるのかーーー。


山颪 薔薇十字探偵の憤慨

探偵一味にはもう十分君も加わっているよ、本島君。そして本島に下僕中の下僕と認識されていた関口と初対面。ボロ松(河原崎)は下僕志願者だし。一味なのか?
「僕はだれだ」
「神です」
って白雪姫の継母の鏡との会話じゃないんだから(笑)
鳴釜で赤ちゃんはおしっこをしたのがえらいと言っていた榎木津は今回ヤマアラシはとがっているからえらいといいヤマアラシがみたいがために依頼を受けました。そして、料亭での振る舞いが。
おなかぺこぺこのぺこちゃん
って!!三十半ばがそう言ったんだよ!あああくぁわいぃい~なぁwwwwww
でもね下金(本島)じゃなくても恥ずかしいぞ!北大路(京極堂)は慣れてるだろうけど恥ずかしいって。でもやっぱり京極堂はのりのりだ。たぶんおいしいであろうご飯を食べ猿渡先生(関口)を心配していると見せかけ・・・(笑)榎木津にかかわると馬鹿になるっていっておいて、自分も馬鹿に見えてるということに気付かないのかなあ?


榎木津の話は面白いなー。
本当に面白い!
本編が暗い分こっちは底なしに明るくて痛快です!ストレス発散の一冊。榎木津ファンになること必至の一冊です。

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