ホームページの事、返信、妄想、ブックレビューに愛を叫ぶ準ブログ。偏愛なので準が付く、そういうことを書いております。
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マスカマダが大夫だったって・・・・・・・!!?(衝撃!)
閣下と京極堂が厨子王だったってことよりも驚きました!(京極読者以外意味不明だと思います)「匣の中の娘」をきょーごくヴォイスで聴けるなんて、っていうか「風」の改編がこの世に存在したなんて・・・ッ!ファン歴4ヶ月半(短いが深い)にして初めて知りました……!(驚愕)喉から手が出るほど欲しいっていう気持ちを現在進行形で実感しております。絶対映像化か音源を販売(を再開)するべきだと思います!ワタシみたいな人が買います。コンプリートします!チケットが明日発売のその朗読会に行きたいのですが、京極ファンになった記念すべき今年はいけないのですよ。(残念)ルパン!って!不二子ちゃんが姫なのかな?次元が王?いや、五右エ門かな?ルパンだったらうける!でも大夫がルパンだと勝手に思っています。次元もやるのかしら?大沢原作ルパンですが、ルパンと付くからにはルパンのお話ですよね(ばか)。あああ行きたい!!来年または再来年にはどんな倍率でもかいくぐって参加してみせます!てゆーか毎年参加します!
そういえば、少し前にぎゃあぎゃあ騒いでいた「文豪手のひら」の久保(竣公)さんは買っていません。(ぇ)
だって、2、3ページしか載ってないみたいなので、立ち読みすればいーかな心境に……。実行してませんが。したいのです。
そんなこんなの葛藤やらなんやらにやられていた連休前後に手を出した本です。
「塗仏の宴 宴の支度」 京極夏彦
「塗仏の宴 宴の始末」 京極夏彦
「百器徒然袋 風」 京極夏彦
「邪魅の雫」 京極夏彦
「容疑者xの献身」 東野圭吾
ではブックレビューの始まりです。(長すぎるため、今回は「塗仏」2冊と「百器 風」のみのレビューとなります)
「塗仏の宴 宴の支度・宴の始末」 京極夏彦
村を―――探してくれませんか?
うだつの上がらない関口のもとに舞い込んだ依頼は消えた村、戸人(へびと)村を探してほしいと云うものだった。一年間駐在として赴任されたと云い張る光保の記憶は詳しく、しかし当時の村人はその村に存在しないばかりか、村そのものが存在していない。村の実力者、佐伯家とその秘密、くんほう様と不老不死。半ば押し切られるように依頼を受けた関口がそこで見たものは―――。
宗教団体、薬局屋、占い師……彼らに巻き込まれる人々。何かが欠けている、欠落感、空っぽだと云う彼ら。
敦子、木場、榎木津が消え、不安になる益田、青木、鳥口と動かない中禅寺。
秘密裏に行われていたゲームとその主催者の目的は一体………?
妖怪達の百鬼夜行が始まった。
相変わらず下手なあらすじでごめんなさい(ぺこり)。
初読みの時は、あまりの衝撃的な冒頭に、関口君に何かあったら許さないんだから!と本気で思っていましたが(ええワタシは関口ファンです)、二回目(パラ読みを入れると数えきれない……)なのでさすがに落ち着いて進めていきましたが、許せない個所はありますね。あんたら関口の何を知ってるんだ!とかなります。(苦笑)
「支度」の方は、サブタイトルに妖怪の名前がそれぞれついていて、さまざまな人の視点から書かれていますが、仕掛けが何しろ大掛かりなので登場人物が今まで以上に多く、主要人物の出番は比較的少ないのが残念です。面白いのですが、話が前後するし、それぞれのリーダーが誰?とノートでも取らなければ私は解らない…。(取ってないっすよ。)ですが、それぞれの回の冒頭だけでも、すごく凝っていて、(キーワードというかまあ趣向があるのです)「空を見る」と「音を立てた扉」であったり、「木場」と「松」であったり、「眩暈坂」に「立つ順番」であったりします。初めて読んだときに気付かなかったそういう詳細な部分が発見できるのも、読み返す楽しみですよね!この傾向が一番顕著なのが「邪魅」ですが。
この本は敦子の好感度が上がりました。少しだけ過去と内側に触れていて、ああ敦子の内面はこういう風なんだ、と。何が彼女のコアなのかがわかり、よかったです。
「支度」だけですと、まあ話のスケールがどんなものかを描いているので、ほとんど進みませんが、「始末」をすぐ後に読むと本当にすごいです。というかクライマックスまでの駆け足と幕までの展開が速いし、あの一体感がもう本当にオールスターって感じで豪華!仕掛けの小細工は比較的早く指摘され、それがなくとも気づくことが出来るのですが、全貌がでかすぎた!いい意味で現実離れしすぎていて、驚かされます。ってもう二回目だから知っているのですが、やっぱり好きだなあと再確認。
榎木津はやっぱりずるいですね。おいしすぎる!でも京極堂と対等(もしくはそれ以上)に話せるキャラが周りには彼しかいないのですよ。カッコよかったwww
木場はもうお潤さんとくっついてしまえ!と木場ファンに刺されそうなことを思いました。木場と榎木津の再開シーンは大好きです。
関口君はもう損な役回りすぎて憐れ。そうとしか言いようがないです。
今回は「事件」というよりも「仕掛け」に重きが置かれているので、あとあの人も(初)登場するのでこれまでと違う趣向ですが
「鉄鼠」を経て「絡新婦」そして「塗仏」。この流れは本当に怒涛で圧巻!
「百器徒然袋 風」 京極夏彦
これまた榎木津探偵閣下が主人公の短編集(といっても3話収録で800ページ以上あります)の第二弾目です。
☆五徳猫 薔薇十字探偵の慨然
にゃんこの巻です!大好きな話。
三十代半ばの美形のおじさんこと探偵閣下の一言(物真似by益田)「にゃんこだ、にゃんこだぞ」は反則!これはあれですよ、彩雲読者に解るように説明すれば黎深さまが「にゃんこ」って言うのと同じ衝撃です!
京極せんせいは猫すきだなあっていつも思います。京極堂も猫を飼っているし、この五徳猫はにゃんこの話だし、「巷説」にも山猫の話があり、「どすこい。」と「豆腐小僧」でも猫又関係が登場しますから。猫はまあ化けますからね。かわいいし。「怪描佐賀屋敷」みたいです!
マスカマ(益田)はますます調子がいいキャラになり、榎木津の物真似をするだけではなく、ノリノリで冒頭に述べたエチオピヤ人のマスカマダになるし…。マジあのシーンは爆笑です。(※ミステリヰの話ですが笑えます。)相変わらず偽名をつけられる本島君は今回遠山金伍郎になり、本編では怖い京極堂は水戸光彦……。沼上の鈍痛も含め、やっぱり榎木津にかかわると皆バカに見えると思ってしまいます。(いい意味です)変人ばかりですwww
米国空軍のような服装の閣下はかっこいいでしょうね。ぜひ見てみたい。そして普通の閣下に衝撃を受ける本島。まあ普段黎深さまのような人が、まともにしゃべったらビックリします。5分と持ちませんが。(たぶん。)
それにしても閣下の「死ぬよ」という発言は怖い。「邪魅」でもありましたが、なにか底知れぬものを感じます。設定として戦争を生き抜いたこともあるのでしょうが、他人の記憶を視える力や飛びぬけた容姿、普段の突拍子のなさと本気の時のギャップなどの要因が影響しているのでしょう。「鉄鼠」で久遠寺の事をしっかりと間違えず呼ぶタイミングとか、この人は全部わたっているんだなあと思ってしまいます。大好きだけど、怖い人でもある。
でもしんみりとした雰囲気が苦手でにやあんこと云ってふざけるような可愛い人だ。
しかし本島君は巻き込まれがたなのに、自ら巻き込まれに行ったってので、もうこれは閣下の下僕への道を歩んでいるのですよね笑。
面白すぎます。
キーワードは「右」という台詞ですね。
☆雲外鏡 薔薇十字探偵の慨疑
いきなり本島君が拉致監禁……!それもこれも榎木津のせいだと思いあたり、また自ら下僕であると認めている、板についてきたいい感じを出してきました。結局なにもされないのですが、予想通りの展開に。
自称霊感探偵・神無月鏡太郎が閣下に果し合いを申し込むという何とも無謀な……。名前が長いし胡散臭い、もういかにもな感じです。氏が「心霊」だとか「霊感」だとがが嫌いなため、キャラにも反映されています。閣下は「霊感」と聞くだけで怒るらしいですが、本物の幽霊ならぜひ見てみたいというそういう意味で、つまり偽物が許せないのです。閣下がいない間に話はとんとん拍子に進み(というか神無月が勝手に進めましたが)、遅刻してでも現場に現れたことに驚き!愛されてます。
文左衛門と命名された本島は五郎の方がましだと云っていますが、もうこの時点で下僕であることを容認してます。閣下の言動を理解できるようになった時点で手遅れwwwww
キリギリス元子爵はさすが閣下のお父様って感じなお方で、唯一まともなのはお兄様なのかしら?いつかご登場願いたいのです。
まあ勝負はなあなあな感じで始まってるんだかってなりますが、だいたい閣下にケンカを売るなど裏に誰がいようとも変態鏡男には100万年早いことなのです。礼儀作法を飛び越え、気が済むようになればいいという勝ち負けさえもこだわらないのが閣下なのですから。れーかん探偵の話は聞いていないし、鏡を奪い投げつけ………ホント好き勝手、好き放題の末、小者は退散。
「ぐうの音も出んやろがッ」にぐうと答える三十台半ばの閣下(真剣)。
「潰す?誰を?」とステキスマイルで言いきった!こわいぞー!
馬五郎または牛之介(本島)の窮地を救ったと云うか、もともと窮地に陥っていなかったわけですが、「この世で探偵は僕だけだ」と自信満々な閣下にカスの処理専門業者こと青木(刑事)もぐったり。小者が無謀に閣下に手を出して、後始末をする羽目になったんだからお疲れ様でした。「相手が悪いよあんた」と嫌味というか愚痴、助言、いや慰めの言葉の一つも言いたくなるでしょうね。
牛五郎と呼ばれ返事をした下僕(確定)本島くん、よかったね!
☆面霊気 薔薇十字探偵の疑惑
最近近所で泥棒の被害が多発しており、ついに友人で隣人の近藤の家も空き巣にやられてしまったらしい。だがおかしなことに物が取られた形跡はなく、逆に由来が判明しないガラクタを見つけてしまい―――。
マチコ(骨董屋の今川)の許へその中の一つ、封印されたお面を持っていき鑑定を頼み、思わぬ可能性が判明で中禅寺のもとに行くマチコは「罵倒誹謗揶揄中傷、悪口誹謗罵詈雑言の果てしない集中砲火」に会いたくなかった模様。まあ閣下酷いからね。小学生並みに酷いことを云うからね。榎木津からの依頼でマチコに別のお面を託された本島は探偵事務所へ足を向けるが現れた探偵は留守だったのです。そして益田と訪問客の青木(刑事)の話を聞いていると益田に窃盗犯疑惑が浮上。「きゅう」って本当に可愛いな益田wwww
そこへ閣下が御帰還。ものすごい不機嫌な閣下はとっても怖いです。が、
「非凡な美形なおじさんは思いっきり非凡な台詞を―――」(by本島)
「尖ってるのはマメ投げ大会の方だ!」
榎木津、やっぱりあんたは最高だ、と再確認の場面でした。
「鬼苛め」をしたい閣下はそのお面をマチコ(下僕の一人)に持ってこいと命令していたのですが、本島の持ってきたお面は「マメ投げ」用らしく却下。うーむ。「青磁」が「セージ」だったりする閣下の言動は難しい。
ナキヤマ(益田、下僕の一人)に探偵とは「世界の本質を非経験的に知りうる特権的な超越者」であるとの御高説をのたまいますが、偉そうな言葉の割に中身は…・・・・。そんな閣下が好き。青木(刑事)がいる前で警察を下品だとか無意味だとかけなし、青木もがっくり。
そんな天衣無縫な閣下曰く「鬼苛め大会」とは鬼を苛めてとどめをさすと云う何とも冷酷、残酷な伝統行事らしいです。閣下なら間違いなく容赦や慈悲のかけらなく苛め倒すね!
本島(暫定下僕)は健十郎、権太郎、ましてゴンザレスと呼ばれても聞き流し、または僕のことだと認めているのですよ。もう下僕確定です。立派な下僕です。
しかし閣下のネーミングセンスは的を外しすぎていてもはやセンス云々では言い表すことができません。怪盗猫招きなるフトドキ者があらわれ、間違いなく閣下なのですが、可愛いようなばかなような……。(←京極堂、関口、木場は間違いなくバカだと云うでしょう。)っていうか物を盗みますから、猫招きは犯罪です!
「にゃんこ参上だッ」と叫ぶ三十代半ばのおじさん……。それが榎木津閣下。
因縁の対決はモチロン閣下の勝利。逆転の発想というか、罠を破壊………。それが榎木津閣下。
鬼苛めの予行練習を済ました榎木津とお父様の会話は可愛いのですwwww
息子の事を見抜いてしまう子爵と、適当な言葉を叫んで照れ隠しをする閣下と何ともほほえましい。よかったね、本島君。閣下の愛はわかりにくく、けれど深い。(ああ誰かさんを思い出す笑。)
「置いていきなさいよ」という口調が普段の閣下と違って可愛い。普段けなしているけれど、お父様にはまだかなわないのねwwwww
本島五十三次君(閣下命名)は閣下の愛に触れて、感激し、素直に「はい」って返事をします。これはあれです。一生閣下についていくと云う宣言ですか!(←違う)
そしてラスト!あれはもう、ヤバイ!!
あんなことをされて落ちない人はいない!
閣下はずるい。
可愛いし、かっこいいし、怖いけど、愛情表現が時折見えるずるい人。
でも本当に愛しい人です。
心臓を一突きされること間違いなしの笑えるミステリヰ!
***
そういえば、この「百器」シリーズは題名がしりとりになっています。「雨」の薔薇十字探偵の「憂鬱」「鬱憤」「憤慨」そして「風」の「慨然」「然疑」「疑惑」と続きます。次はなんと来るのでしょうか。「惑溺」は閣下的にあり得ないでしょうね。
ではおやすみなさい。
閣下と京極堂が厨子王だったってことよりも驚きました!(京極読者以外意味不明だと思います)「匣の中の娘」をきょーごくヴォイスで聴けるなんて、っていうか「風」の改編がこの世に存在したなんて・・・ッ!ファン歴4ヶ月半(短いが深い)にして初めて知りました……!(驚愕)喉から手が出るほど欲しいっていう気持ちを現在進行形で実感しております。絶対映像化か音源を販売(を再開)するべきだと思います!ワタシみたいな人が買います。コンプリートします!チケットが明日発売のその朗読会に行きたいのですが、京極ファンになった記念すべき今年はいけないのですよ。(残念)ルパン!って!不二子ちゃんが姫なのかな?次元が王?いや、五右エ門かな?ルパンだったらうける!でも大夫がルパンだと勝手に思っています。次元もやるのかしら?大沢原作ルパンですが、ルパンと付くからにはルパンのお話ですよね(ばか)。あああ行きたい!!来年または再来年にはどんな倍率でもかいくぐって参加してみせます!てゆーか毎年参加します!
そういえば、少し前にぎゃあぎゃあ騒いでいた「文豪手のひら」の久保(竣公)さんは買っていません。(ぇ)
だって、2、3ページしか載ってないみたいなので、立ち読みすればいーかな心境に……。実行してませんが。したいのです。
そんなこんなの葛藤やらなんやらにやられていた連休前後に手を出した本です。
「塗仏の宴 宴の支度」 京極夏彦
「塗仏の宴 宴の始末」 京極夏彦
「百器徒然袋 風」 京極夏彦
「邪魅の雫」 京極夏彦
「容疑者xの献身」 東野圭吾
ではブックレビューの始まりです。(長すぎるため、今回は「塗仏」2冊と「百器 風」のみのレビューとなります)
「塗仏の宴 宴の支度・宴の始末」 京極夏彦
村を―――探してくれませんか?
うだつの上がらない関口のもとに舞い込んだ依頼は消えた村、戸人(へびと)村を探してほしいと云うものだった。一年間駐在として赴任されたと云い張る光保の記憶は詳しく、しかし当時の村人はその村に存在しないばかりか、村そのものが存在していない。村の実力者、佐伯家とその秘密、くんほう様と不老不死。半ば押し切られるように依頼を受けた関口がそこで見たものは―――。
宗教団体、薬局屋、占い師……彼らに巻き込まれる人々。何かが欠けている、欠落感、空っぽだと云う彼ら。
敦子、木場、榎木津が消え、不安になる益田、青木、鳥口と動かない中禅寺。
秘密裏に行われていたゲームとその主催者の目的は一体………?
妖怪達の百鬼夜行が始まった。
相変わらず下手なあらすじでごめんなさい(ぺこり)。
初読みの時は、あまりの衝撃的な冒頭に、関口君に何かあったら許さないんだから!と本気で思っていましたが(ええワタシは関口ファンです)、二回目(パラ読みを入れると数えきれない……)なのでさすがに落ち着いて進めていきましたが、許せない個所はありますね。あんたら関口の何を知ってるんだ!とかなります。(苦笑)
「支度」の方は、サブタイトルに妖怪の名前がそれぞれついていて、さまざまな人の視点から書かれていますが、仕掛けが何しろ大掛かりなので登場人物が今まで以上に多く、主要人物の出番は比較的少ないのが残念です。面白いのですが、話が前後するし、それぞれのリーダーが誰?とノートでも取らなければ私は解らない…。(取ってないっすよ。)ですが、それぞれの回の冒頭だけでも、すごく凝っていて、(キーワードというかまあ趣向があるのです)「空を見る」と「音を立てた扉」であったり、「木場」と「松」であったり、「眩暈坂」に「立つ順番」であったりします。初めて読んだときに気付かなかったそういう詳細な部分が発見できるのも、読み返す楽しみですよね!この傾向が一番顕著なのが「邪魅」ですが。
この本は敦子の好感度が上がりました。少しだけ過去と内側に触れていて、ああ敦子の内面はこういう風なんだ、と。何が彼女のコアなのかがわかり、よかったです。
「支度」だけですと、まあ話のスケールがどんなものかを描いているので、ほとんど進みませんが、「始末」をすぐ後に読むと本当にすごいです。というかクライマックスまでの駆け足と幕までの展開が速いし、あの一体感がもう本当にオールスターって感じで豪華!仕掛けの小細工は比較的早く指摘され、それがなくとも気づくことが出来るのですが、全貌がでかすぎた!いい意味で現実離れしすぎていて、驚かされます。ってもう二回目だから知っているのですが、やっぱり好きだなあと再確認。
榎木津はやっぱりずるいですね。おいしすぎる!でも京極堂と対等(もしくはそれ以上)に話せるキャラが周りには彼しかいないのですよ。カッコよかったwww
木場はもうお潤さんとくっついてしまえ!と木場ファンに刺されそうなことを思いました。木場と榎木津の再開シーンは大好きです。
関口君はもう損な役回りすぎて憐れ。そうとしか言いようがないです。
今回は「事件」というよりも「仕掛け」に重きが置かれているので、あとあの人も(初)登場するのでこれまでと違う趣向ですが
「鉄鼠」を経て「絡新婦」そして「塗仏」。この流れは本当に怒涛で圧巻!
「百器徒然袋 風」 京極夏彦
これまた榎木津探偵閣下が主人公の短編集(といっても3話収録で800ページ以上あります)の第二弾目です。
☆五徳猫 薔薇十字探偵の慨然
にゃんこの巻です!大好きな話。
三十代半ばの美形のおじさんこと探偵閣下の一言(物真似by益田)「にゃんこだ、にゃんこだぞ」は反則!これはあれですよ、彩雲読者に解るように説明すれば黎深さまが「にゃんこ」って言うのと同じ衝撃です!
京極せんせいは猫すきだなあっていつも思います。京極堂も猫を飼っているし、この五徳猫はにゃんこの話だし、「巷説」にも山猫の話があり、「どすこい。」と「豆腐小僧」でも猫又関係が登場しますから。猫はまあ化けますからね。かわいいし。「怪描佐賀屋敷」みたいです!
マスカマ(益田)はますます調子がいいキャラになり、榎木津の物真似をするだけではなく、ノリノリで冒頭に述べたエチオピヤ人のマスカマダになるし…。マジあのシーンは爆笑です。(※ミステリヰの話ですが笑えます。)相変わらず偽名をつけられる本島君は今回遠山金伍郎になり、本編では怖い京極堂は水戸光彦……。沼上の鈍痛も含め、やっぱり榎木津にかかわると皆バカに見えると思ってしまいます。(いい意味です)変人ばかりですwww
米国空軍のような服装の閣下はかっこいいでしょうね。ぜひ見てみたい。そして普通の閣下に衝撃を受ける本島。まあ普段黎深さまのような人が、まともにしゃべったらビックリします。5分と持ちませんが。(たぶん。)
それにしても閣下の「死ぬよ」という発言は怖い。「邪魅」でもありましたが、なにか底知れぬものを感じます。設定として戦争を生き抜いたこともあるのでしょうが、他人の記憶を視える力や飛びぬけた容姿、普段の突拍子のなさと本気の時のギャップなどの要因が影響しているのでしょう。「鉄鼠」で久遠寺の事をしっかりと間違えず呼ぶタイミングとか、この人は全部わたっているんだなあと思ってしまいます。大好きだけど、怖い人でもある。
でもしんみりとした雰囲気が苦手でにやあんこと云ってふざけるような可愛い人だ。
しかし本島君は巻き込まれがたなのに、自ら巻き込まれに行ったってので、もうこれは閣下の下僕への道を歩んでいるのですよね笑。
面白すぎます。
キーワードは「右」という台詞ですね。
☆雲外鏡 薔薇十字探偵の慨疑
いきなり本島君が拉致監禁……!それもこれも榎木津のせいだと思いあたり、また自ら下僕であると認めている、板についてきたいい感じを出してきました。結局なにもされないのですが、予想通りの展開に。
自称霊感探偵・神無月鏡太郎が閣下に果し合いを申し込むという何とも無謀な……。名前が長いし胡散臭い、もういかにもな感じです。氏が「心霊」だとか「霊感」だとがが嫌いなため、キャラにも反映されています。閣下は「霊感」と聞くだけで怒るらしいですが、本物の幽霊ならぜひ見てみたいというそういう意味で、つまり偽物が許せないのです。閣下がいない間に話はとんとん拍子に進み(というか神無月が勝手に進めましたが)、遅刻してでも現場に現れたことに驚き!愛されてます。
文左衛門と命名された本島は五郎の方がましだと云っていますが、もうこの時点で下僕であることを容認してます。閣下の言動を理解できるようになった時点で手遅れwwwww
キリギリス元子爵はさすが閣下のお父様って感じなお方で、唯一まともなのはお兄様なのかしら?いつかご登場願いたいのです。
まあ勝負はなあなあな感じで始まってるんだかってなりますが、だいたい閣下にケンカを売るなど裏に誰がいようとも変態鏡男には100万年早いことなのです。礼儀作法を飛び越え、気が済むようになればいいという勝ち負けさえもこだわらないのが閣下なのですから。れーかん探偵の話は聞いていないし、鏡を奪い投げつけ………ホント好き勝手、好き放題の末、小者は退散。
「ぐうの音も出んやろがッ」にぐうと答える三十台半ばの閣下(真剣)。
「潰す?誰を?」とステキスマイルで言いきった!こわいぞー!
馬五郎または牛之介(本島)の窮地を救ったと云うか、もともと窮地に陥っていなかったわけですが、「この世で探偵は僕だけだ」と自信満々な閣下にカスの処理専門業者こと青木(刑事)もぐったり。小者が無謀に閣下に手を出して、後始末をする羽目になったんだからお疲れ様でした。「相手が悪いよあんた」と嫌味というか愚痴、助言、いや慰めの言葉の一つも言いたくなるでしょうね。
牛五郎と呼ばれ返事をした下僕(確定)本島くん、よかったね!
☆面霊気 薔薇十字探偵の疑惑
最近近所で泥棒の被害が多発しており、ついに友人で隣人の近藤の家も空き巣にやられてしまったらしい。だがおかしなことに物が取られた形跡はなく、逆に由来が判明しないガラクタを見つけてしまい―――。
マチコ(骨董屋の今川)の許へその中の一つ、封印されたお面を持っていき鑑定を頼み、思わぬ可能性が判明で中禅寺のもとに行くマチコは「罵倒誹謗揶揄中傷、悪口誹謗罵詈雑言の果てしない集中砲火」に会いたくなかった模様。まあ閣下酷いからね。小学生並みに酷いことを云うからね。榎木津からの依頼でマチコに別のお面を託された本島は探偵事務所へ足を向けるが現れた探偵は留守だったのです。そして益田と訪問客の青木(刑事)の話を聞いていると益田に窃盗犯疑惑が浮上。「きゅう」って本当に可愛いな益田wwww
そこへ閣下が御帰還。ものすごい不機嫌な閣下はとっても怖いです。が、
「非凡な美形なおじさんは思いっきり非凡な台詞を―――」(by本島)
「尖ってるのはマメ投げ大会の方だ!」
榎木津、やっぱりあんたは最高だ、と再確認の場面でした。
「鬼苛め」をしたい閣下はそのお面をマチコ(下僕の一人)に持ってこいと命令していたのですが、本島の持ってきたお面は「マメ投げ」用らしく却下。うーむ。「青磁」が「セージ」だったりする閣下の言動は難しい。
ナキヤマ(益田、下僕の一人)に探偵とは「世界の本質を非経験的に知りうる特権的な超越者」であるとの御高説をのたまいますが、偉そうな言葉の割に中身は…・・・・。そんな閣下が好き。青木(刑事)がいる前で警察を下品だとか無意味だとかけなし、青木もがっくり。
そんな天衣無縫な閣下曰く「鬼苛め大会」とは鬼を苛めてとどめをさすと云う何とも冷酷、残酷な伝統行事らしいです。閣下なら間違いなく容赦や慈悲のかけらなく苛め倒すね!
本島(暫定下僕)は健十郎、権太郎、ましてゴンザレスと呼ばれても聞き流し、または僕のことだと認めているのですよ。もう下僕確定です。立派な下僕です。
しかし閣下のネーミングセンスは的を外しすぎていてもはやセンス云々では言い表すことができません。怪盗猫招きなるフトドキ者があらわれ、間違いなく閣下なのですが、可愛いようなばかなような……。(←京極堂、関口、木場は間違いなくバカだと云うでしょう。)っていうか物を盗みますから、猫招きは犯罪です!
「にゃんこ参上だッ」と叫ぶ三十代半ばのおじさん……。それが榎木津閣下。
因縁の対決はモチロン閣下の勝利。逆転の発想というか、罠を破壊………。それが榎木津閣下。
鬼苛めの予行練習を済ました榎木津とお父様の会話は可愛いのですwwww
息子の事を見抜いてしまう子爵と、適当な言葉を叫んで照れ隠しをする閣下と何ともほほえましい。よかったね、本島君。閣下の愛はわかりにくく、けれど深い。(ああ誰かさんを思い出す笑。)
「置いていきなさいよ」という口調が普段の閣下と違って可愛い。普段けなしているけれど、お父様にはまだかなわないのねwwwww
本島五十三次君(閣下命名)は閣下の愛に触れて、感激し、素直に「はい」って返事をします。これはあれです。一生閣下についていくと云う宣言ですか!(←違う)
そしてラスト!あれはもう、ヤバイ!!
あんなことをされて落ちない人はいない!
閣下はずるい。
可愛いし、かっこいいし、怖いけど、愛情表現が時折見えるずるい人。
でも本当に愛しい人です。
心臓を一突きされること間違いなしの笑えるミステリヰ!
***
そういえば、この「百器」シリーズは題名がしりとりになっています。「雨」の薔薇十字探偵の「憂鬱」「鬱憤」「憤慨」そして「風」の「慨然」「然疑」「疑惑」と続きます。次はなんと来るのでしょうか。「惑溺」は閣下的にあり得ないでしょうね。
ではおやすみなさい。
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